【10月19日 AFP】内戦状態が続くシリアで18日、反体制派が支配する同国北部のマーラトヌマン(Maaret al-Numan)を政府軍の戦闘機が爆撃し、反体制派によると、少なくとも子ども23人を含む49人が死亡した。

 現場の救助隊によれば、爆撃によって住宅2棟と、多くの女性や子どもが身を寄せていたモスクが破壊された。救助隊はがれきの下から44人の遺体を発見し、うち1人は生後9か月の乳児だったと話している。反体制派によると、17日にも政府軍の砲撃により大人5人が死亡している。

 急きょ設置された野戦病院では、白い布に包まれた少なくとも32人の遺体が確認でき、うち6人は子どもだった。手足がもげた遺体も多数あり、「遺体の一部」と書かれたプラスチック袋も複数置かれていた。子ども1人の遺体は頭がもげており、もう1人は自転車に乗ったままの状態でがれきの下から発見された。

 看護兵の一人は「爆撃の生存者は今のところ3人のみ。うち1人は2歳の子どもで、死んだ父親の腕の中で生き延びていた」と話した。

■帰宅直後に爆撃された人も

 18日午前、マーラトヌマンとその周辺の上空を複数の戦闘機が飛びまわっていた。AFPの取材に匿名で応じた住民によれば、死者の中にはもう危険は去ったと思って帰宅した直後に爆撃に遭った人も数人いた。

 戦闘機は急降下を繰り返し、マーラトヌマンとその東郊にあるワディ・デイフ(Wadi Deif)軍事基地付近に少なくとも10発の爆弾を投下した。同基地は戦車や燃料補給の重要拠点で、反体制派による激しい砲撃に遭っている。

 反体制派は18日夕、同基地への「最終攻撃」を開始した。最前線で取材するAFP特派員によれば、数百人の戦闘員が基地を攻撃。反体制派幹部によると、戦車3両が破壊され、少なくとも兵士6人が降伏した。

 ワディ・デイフ基地は、ダマスカス(Damascus)─アレッポ(Aleppo)間高速道路から2キロメートルの場所に位置している。反体制派が数キロにわたってこの道路を支配下に置いているため、政府軍は3か月前からアレッポにいる部隊への物資補給が非常に困難になっている。(c)AFP/Herve Bar