【9月18日 AFP】独ニュース週刊誌シュピーゲル(Der Spiegel)は17日、シリア政府軍が同国北西部の砂漠地帯で化学兵器用砲弾の発射実験を行ったと報じた。

 同誌は「目撃者」の話として、アレッポ(Aleppo)の東にあるハナーシル(Khanasir)村のDiraiham実験場で、戦車や航空機が化学兵器用の砲弾5~6発を発射したと報じた。砲弾に化学兵器は入っていなかったという。ヘリコプターで現地を訪れたイラン革命防衛隊(Revolutionary Guards)所属とみられるイラン当局者も発射実験に立ち会ったという。

 アレッポの南東にあるサフィラ(Al-Safira)の研究施設はシリア最大の化学兵器実験場とみられているが、シリア政府は同研究所を「科学研究センター」と呼んでいる。周囲をフェンスで囲まれた広大な施設内ではイランと北朝鮮の科学者たちが勤務しているとみられ、欧米の情報機関はここでサリンやマスタードガスなど致死性の化学兵器が生産されているとしている。

 1970年代にさかのぼるシリアの化学兵器は中東で最大規模とされているが、その実態は明らかになっていない。アサド政権は外部からの攻撃に化学兵器で応じる可能性があると警告する一方、自国民への使用は否定している。(c)AFP