【9月18日 AFP】レバノンの首都ベイルート(Beirut)で17日、イスラム教を冒とくした内容とされる米映画をめぐり、数万人が参加する大規模な抗議集会があった。イスラム教シーア(Shiite)派組織ヒズボラ(Hezbollah)の指導者ハッサン・ナスララ(Hassan Nasrallah)師は集会で演説し、この映画の全編が公開されれば、世界各地に非常に危険な影響を及ぼすだろうと述べた。

 ナスララ師は問題の映画を「イスラムに対する過去最悪の攻撃」と非難し、レバノン全土で今週を「抗議週間」にするよう呼びかけた。また、「映画全編の公開が非常に危険な事態を招くことを米国は理解せねばならない。その余波は世界中に広がるだろう」と警告した。公の場に現れることが少ないナスララ師の登場はデモ参加者らを驚かせた。米国は民兵組織を持つヒズボラをテロ組織に指定している。

 過激なキリスト教団体が制作したとされる映画「Innocence of Muslims」に対するイスラム教徒の怒りは各国で激しい反発を引き起こし、20を超える国と地域の米大使館前などで抗議行動が起きている。17日はレバノンのほかにも、アフガニスタン、イエメン、インドネシア、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)、フィリピンで抗議行動があった。一連の騒ぎによる死者は17日までに19人になった。(c)AFP