【6月6日 AFP】米政府は5日、パキスタン国内で実施した無人機による攻撃で、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)のナンバー2、アブヤヒヤ・リビ(Abu Yahya al-Libi)幹部が死亡したと発表した。

 ジェイ・カーニー(Jay Carney)米大統領報道官は「米政府としてリビ氏の死亡を確認できている」と述べた。

 米当局者は同幹部が死亡した詳しい状況は明らかにしていないが、パキスタン当局者は米中央情報局(CIA)の無人機が4日、アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)とアルカイダの牙城になっているアフガニスタン国境沿いの北ワジリスタン(North Waziristan)で攻撃を実施したと明かしていた。

 ある当局者は、リビ幹部がパキスタン国内におけるアルカイダの作戦を担当し、イエメンのアルカイダ系組織「アラビア半島のアルカイダ(Al-Qaeda in the Arabian PeninsulaAQAP)」などの組織にも接触していたとして「(リビ幹部の死亡は)重要なことだ」と述べた。

 リビ幹部が死亡したことで、11月の大統領選で再選を目指すバラク・オバマ(Barack Obama)大統領は冷静で固い意志を持つ軍の最高司令官としてのイメージを強めるとみられるが、米国がパキスタン国内で無人機による攻撃を繰り返していることや2011年にアルカイダの最高指導者ウサマ・ビンラディン(Osama Bin Laden)容疑者を殺害したことなどで悪化した米国とパキスタンの関係が一層悪化する恐れもある。(c)AFP/Stephen Collinson