【5月3日 AFP】アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)は2日、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領とアフガニスタンのハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領が署名した新たな戦略協定について「正当性がない」と拒絶する声明を発表した。

 アフガンを1日夜に電撃訪問したオバマ大統領とカルザイ大統領は、首都カブール(Kabul)で北大西洋条約機構(NATO)軍がアフガンから撤退する2014年末以降の両国の関係を規定する戦略的パートナーシップ協定に署名した。

 タリバンはウェブサイト「ボイス・オブ・ジハード(Voice of Jihad)」に掲載した声明で、カルザイ大統領には同協定に署名する権限はないと明言。この協定を、「権力のない操り人形(カルザイ大統領)が侵略者と交わした正当性のない協定とみなし、可能な限りひどい表現を使ってこれを非難する」と表明した。

 また、「イスラム国家アフガニスタンの真の代表として、侵略軍とこれに操られている者たちが完全撤退するまで、協定の全ての内容に抵抗するため、武力によるジハード(聖戦)を全力で続けていく」と述べた。

 アフガニスタン当局によると、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の最高指導者ウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者が米軍に殺害されてからちょうど1年となる同日、カブールにある欧州連合(EU)や国際連合(UN)などの国際組織が利用する宿泊施設が自動車爆弾で攻撃され、7人が死亡した。犯行声明を出したタリバンは、毎年恒例の「春の攻勢」の始まりだと宣言した。(c)AFP