【4月13日 AFP】軍事作戦の停止期限である12日午前6時(日本時間同日正午)が過ぎたシリアでは停戦が維持されているもようだ。13日には新たな抗議行動が呼び掛けられており、国連(UN)とアラブ連盟(Arab League)のシリア特使であるコフィ・アナン(Kofi Annan)前国連事務総長による調停案を政府が履行するかどうかが試される。

 中国はシリアの停戦の決断を歓迎し、政治的解決に向けた一歩だと評価した。ロシア政府は調停案が軌道に乗るには、もっと時間が必要だとの考えを示している。

 監視団体などによれば、シリア政府は10日までに居住地区から部隊を撤収するという約束を順守しなかった。依然として撤収する兆しはみられないという。

 英国に拠点を置くシリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)のラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)代表はAFPに対し、停戦期限から約6時間が経過した時点で、「情勢は全土で落ち着いている」と述べた。

 その一方で同氏は、停戦期限後間もなく、首都ダマスカス(Damascus)近郊の町ザバダニ(Zabadani)で爆発音が何度か聞こえたと語った。さらに、「イドリブ(Idlib)、ハマ(Hama)、ホムス(Homs)、ダマスカスや北部のアレッポ(Aleppo)では、政府軍の増援部隊の本格的な撤収は行われていない」と話した。

 ダマスカスやハマ、南部のダルアー(Daraa)などにいる人権活動家らも、停戦期限を迎えて以降は平穏な状態が広がったとしている。ただ、政府によるメディア規制のため、こうした情報の信ぴょう性は確認できていない。

 ある人権活動家は「明日、イスラム教の金曜礼拝の後、デモが行われるが、この日が試金石となるだろう」と語った。(c)AFP