【2月4日 AFP】シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)は4日、シリア政府軍が中部のホムス(Homs)で女性や子どもを含む少なくとも217人を「虐殺」したと発表した。シリア政府の反体制派弾圧に関する国連安全保障理事会(UN Security Council)の決議を目前に控えての惨事となった。

 同監視団によると、ホムスのハリディヤ(Al-Khalidiya)地区では迫撃砲により、138人が死亡した。
ホムスは過去10か月間、バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領に対抗するデモの拠点となってきた。

 ホムスの別の場所では79人が殺害された。首都ダマスカス(Damascus)を含む他の地域での衝突により、3日の合計死者数は約250人にのぼり、今後さらに増えるおそれもあるという。

 監視団のラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)代表はAFPの取材に対し「深刻な虐殺行為だ」と語り、虐殺を阻止するためアラブ連盟(Arab League)の「即刻介入」を呼びかけた。

 中東の衛星テレビ、アルジャジーラ(Al-Jazeera)とアルアラビーヤ(Al-Arabiya)は、地面に横たわる多数の遺体の映像を放映した。

 虐殺は、数万人が殺害された1982年の「ハマの虐殺」の30周年追悼デモで、全国で反体制派が抗議行動を起こすなか行われた。

 今回の虐殺は、国連本部が国連安全保障理事会はシリア政府の弾圧を糾弾する決議案の審議を4日午前に行うと発表するのとほぼ同時に報道された。(c)AFP