【12月19日 AFP】エジプトの首都カイロ(Cairo)で18日、軍による暫定統治に反対するデモ隊と治安部隊が衝突した。衝突は16日から3日連続で、これまでに少なくとも10人が死亡、500人あまりが負傷した。

 デモ隊はカイロ中心部の議事堂や政府庁舎付近で軍最高評議会による暫定統治を終わらせるよう要求する抗議行動を展開。武装部隊が投入され、検察当局によると未成年者を含む180人以上が身柄を拘束された。

 地元紙の一面や動画サイト「ユーチューブ(YouTube)」に、武装警官に衣服を裂かれたデモ参加者女性の写真が掲載されたことから抗議デモはいっそう激化している。「ユーチューブ」の動画にはヘルメット姿の警察官に押し倒され、蹴られて意識不明になる女性の姿が映されている。女性は衣服を破られ、腹部やブラジャーがあらわになっていた。

 1798年に創設され、20万点以上の貴重な文書を保管するエジプト研究所(Institute of Egypt)が放火されるなど歴史的建築物が損傷する被害が出ており、衝突は民主化に向けた議会選後のエジプトの行方に影を落としている。

 前月末に行われた人民議会(国会下院)の2回目の投票は投票率が67%に達し、穏健派イスラム原理主義組織のムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)が勝利宣言を出した。(c)AFP/Samer al-Atrush