【10月15日 AFP】リビアの首都トリポリ(Tripoli)で14日、ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐支持派と国民評議会(National Transitional CouncilNTC)部隊の間で交戦となり、双方で合わせて3人が死亡した。

 戦闘があったのはトリポリ中心部から約10キロ南のアブサリム(Abu Salim)地区。同地区にはカダフィ支持派が潜伏していることが知られていた。

 トリポリの治安当局によると死亡したのはカダフィ派の2人とNTC部隊の1人で、このほかに30人が負傷した。戦闘に加わったカダフィ派の戦闘員は50人あまりで、NTCはアフリカからの雇い兵4人を含む27人を拘束したという。NTCの報道官によると、カダフィ支持派がデモを行った後に戦闘が起きた。

 アブサリム地区のある住民は、金曜礼拝の後の午後早い時間にカダフィ支持派がデモを行ったと話した。今週に入って、行動を起こすよう呼びかけるカダフィ支持派のテレビプレゼンターのメッセージがイラクのテレビ、アルライ(Al-Rai)で放送され、14日のデモはこれに呼応したものだという。NTC部隊の兵士の1人は、カダフィ派が14日に行動を起こすことは分かっていたため、準備していたと話した。

 アブサリムは、カダフィ政権時代に悪名高き刑務所があったことで知られる。トリポリ市内でカダフィ派が武力で抵抗したのは、NTCがカダフィ大佐の住居施設があった同市内バブ・アジジヤ(Bab al-Aziziyah)地区を攻撃した8月23日以降では初めて。(c)AFP