【9月5日 AFP】リビアのカダフィ政権が崩壊寸前だった7月、同政権に中国の国営軍事関連企業数社が大量の武器売却を持ちかけ、アルジェリアや南アフリカ経由でリビアに持ち込むための交渉を秘密裏に進めていたと、カナダ紙グローブ・アンド・メール(Globe and Mail)が報じた。

 同紙報道によると、国連のリビア制裁決議にもかかわらず、中国企業側は少なくとも2億ドル(約150億円)相当の武器や弾薬を売却する用意をしていた。実際の軍事援助の有無については不明だ。

 同紙が引用している機密文書は、ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の最も忠実な支持者たちの住居が集中していたバブ・アカラ(Bab Akkarah)と呼ばれる地区の路上にあったごみの山から見つかった。

 文書によると、カダフィ政権の治安部隊高官らが7月中旬、北京(Beijing)を訪れ、中国北方工業公司(China North Industries Corp)、中国精密機械進出口総公司(China National Precision Machinery Import & Export Corp)、中国新興天津進出口公司(China XinXing Import & Export Corp)の3社の幹部と会談した。

 グローブ・アンド・メールはまた、中国企業はリビア側に、在庫分すべてについて売却可能で、必要ならば新たに製造して納品すると約束したと報じている。また中国側は秘密保持の必要性を強調し、第3国を経由した納品を提案したという。(c)AFP