【8月23日 AFP】リビアの最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の次男で、反体制派によって拘束されたと報じられていたセイフイスラム・カダフィ(Seif al-Islam Kadhafi)氏(39)が23日未明、首都トリポリ(Tripoli)市内で報道陣の前に姿を現し、同氏が拘束されたとの報道を否定した。

 セイフイスラム氏はトリポリ南部のバーブ・アジズヤ(Bab al-Azizya)地区にあるカダフィ大佐の居住施設前で、「トリポリはわれわれが掌握している。皆は安心してよい。トリポリではすべてが上手くいっている」と満面の笑みを浮かべて語り、指で勝利を示すVサインを作った。

 セイフイスラム氏は西側諸国が「技術的なメディア戦争をしかけて、リビアに混乱と恐怖をもたらそうとしている」と批判するとともに、22日に反体制派がバーブ・アジズヤ地区の制圧を試みた際に「おびただしい犠牲者」を出したと語った。

 内乱が最終局面を迎える中、依然としてトリポリ市民の間には緊張が走っている。およそ30人の外国人記者が宿泊しているリクソス(Rixos)ホテルでも緊迫した状況が続いている。22日には水道と電力が遮断され、カダフィ体制派の兵士がホテルの外で見張りにあたった。

 一方の反体制派は、トリポリ市内の未制圧地域に進むにあたり、狙撃兵に狙われる危険性がある大通りを通るか、戦闘しながら路地を進むかで決めかねているようだ。(c)AFP/Imed Lamloum and Charles Onians