【5月16日 AFP】イスラエル建国に伴う大量のパレスチナ人が居住地を追われた「ナクバ(大惨事)」の記念日にあたる15日、レバノン、シリアとの国境付近やガザ地区(Gaza Strip)との境界地域などでパレスチナ人のデモ隊にイスラエル軍が発砲し、12人が死亡、数百人が負傷した。

 イスラエルが占領するゴラン高原(Golan Heights)では、シリア側から数千人規模のデモ隊が流入しようとしたため、イスラエル兵が発砲。1974年に両国が兵力引き離し協定に合意して以来、最悪の事態となった。

 また、医療関係者によると、イスラエル軍の銃撃でレバノン側との国境地帯では10人が死亡し、110人あまりが負傷した。負傷者の大半はパレスチナ難民だという。

 さらにパレスチナ自治区ガザ地区の北側とイスラエルとの境界付近でも、1000人あまりのデモ隊とイスラエル軍との衝突で125人が負傷。このうち5人が重傷だという。

 レバノン国営通信NNAによると、シリア政府は、流血の事態に対する「犯罪」行為については全面的にイスラエルに責任があると、イスラエルを非難する声明を発表した。また、レバノン政府も「ユダヤ人国家による侵略と挑発を阻止するため」との理由で、国連(UN)に苦情申し立てを行った。

 これに対し、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は、テレビ演説のなかで、「彼らの闘争は1967年に画定した国境をめぐるものではない。彼らが絶対に解決せねばならない大惨事と呼ぶものは、イスラエルの存在そのものを問題視することにほかならない」と述べ、「破壊を企てる者から、断固として国境と主権を守る」と言明した。

 1948年のイスラエル建国では、76万人を超えるパレスチナ人が、住む地を追われた難民となった。こうしたパレスチナ人を祖先とするパレスチナ難民の数は現在480万人に上るとみられ、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の推計では、ガザ地区に約100万人、ヨルダン川西岸(West Bank)に約75万人、ヨルダンに約200万人、シリアに約47万5000人、レバノンに約40万人が存在する。(c)AFP/Jack Guez