【5月5日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は4日、米CBSテレビの「60ミニッツ(60 Minutes)」に出演し、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の最高指導者ウサマ・ビンラディン(Osama Bin Laden)容疑者の遺体写真を公開しないことに決めた理由を説明した。

 米政府は遺体写真を公開するか検討を続けていた。大統領は、DNA鑑定の結果と顔の特徴から、遺体は間違いなくビンラディン容疑者のものであったと述べた上で、「頭部を撃たれた遺体の写真が、さらなる暴力の火種となったり、プロパガンダの道具とならないよう、留意する必要があった」と説明し、「写真をトロフィーのように振りかざすべきではない」と強調した。

 写真は一部の議員には見せられたもようで、サクスビー・シャンブリス(Saxby Chambliss)上院議員(共和党)は、「誰かが頭を撃たれて死んだ、と聞かされた時に思い浮かぶような写真だった。きれいなものではない」と語った。

■通信記録などを徹底解明へ

 米特殊部隊による急襲から3日後、米国の安全保障の専門家らはパキスタン・アボタバード(Abbottabad)の隠れ家を捜索。コンピューター5台、ハードディスク10台、小型メモリー100個などを押収した。アルカイダ壊滅作戦を展開してきた米国にとって、まさに宝の山となる。

 ジョン・マクラフリン(John McLaughlin)元CIA次官はCNNに、「テロ計画や資金源に関する情報が含まれているかもしれない。パキスタンとビンラディンに何らかの関係があったのか、あるいはなかったのかも分かるかも知れない。主な側近についても分かるだろう」と話した。

 なお、ビンラディン容疑者が殺害された時に武装していなかったと3日に明らかにされたことについて、エリック・ホルダー(Eric Holder)米司法長官は4日、上院で「作戦は合法だった」との見解を示した。(c)AFP/Stephen Collinson