【10月8日 AFP】米上院軍事委員会は7日、米政府との契約に基づいてアフガニスタンで活動する民間警備会社を通じて、米国の軍事予算が現地の軍閥や旧支配勢力タリバン(Taliban)系武装勢力に流れ込んでいると指摘する報告書を発表した。こうした資金が米軍のアフガン戦略を骨抜きにし、現地の汚職を悪化させていると批判している。

 上院軍事委は2007~09年に米国防総省が、治安向上などの目的で民間警備会社数社と結んだ約125件、数十億ドル規模の契約について調査。同省が契約先の会社に対する入念な調査や管理を怠っており、資金がタリバンなどに渡っていることを突きとめたという。

 カール・レビン(Carl Levin)同委員長は、「アフガニスタンにおいて民間警備会社に依存した結果、アフガニスタン政府の統制を外れて(米主導の)連合軍の利益に反する行動を取る地元軍閥や権力者たちに力を与える例が、かなり頻繁にあった」「この状況は、米軍部隊の安全を脅かし、作戦成功を危険にさらしている」と語った。

 報告書によると、米空軍と契約したある民間軍事会社は、地元軍閥に治安部隊隊員を募集させていたが、こうした軍閥の中には「タリバンの支援者ら」も含まれていた。また、自宅でタリバンの集会を開催していた軍閥の司令官もおり、米軍とアフガニスタン軍が集会を攻撃した際、この司令官が死亡した事例もあったという。(c)AFP

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