【6月23日 AFP】北朝鮮の元工作員で、1987年に大韓航空(Korean Air)機を爆破するよう金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記から命令を受けたと主張する、金賢姫(キム・ヒョンヒ、Kim Hyun-Hee)元死刑囚が、韓国の哨戒艦沈没事件について、金総書記の命令によるものだろうと語っていたことが明らかになった。

 金元死刑囚は、韓国紙朝鮮日報(Chosun Ilbo)系の雑誌「月間朝鮮(Monthly Chosun)」上で、「このように大きな事件が、金正日への報告なしに行われることはありえない」「計画や準備は軍部が行っただろうが、最終的な承認は金が下したはずだ」と語った。

 金元死刑囚は、調査結果を受け入れることを拒否している人びとは「北朝鮮の犯行という真実を恐れており、結果が気にくわないのだ」と語った。さらに、北朝鮮は大韓航空機爆破事件への関与も依然として認めていないと付け加えた。

「北朝鮮は、ある問題についてずっと否定することで、その問題を消し去ることができると考えている。(哨戒艦)天安(Cheonan)沈没事件で、北朝鮮の戦略がいまだに変わっていないことに気づいた」

「飛行機を深海に沈めてしまうことで全ての痕跡を消してしまう。潜水艦を魚雷で攻撃して全ての証拠を破壊してしまう。まったく一緒のことだ」
 
 金元死刑囚は、韓国は「同じことを繰り返さないよう、テロリストに対しては強硬政策を取るべきだ」と語った。(c)AFP