【9月11日 AFP】米国は11日、2001年の9.11同時多発テロ事件から8周年を迎え、現場となったニューヨーク(New York)の世界貿易センタービル跡地「グラウンド・ゼロ(Ground Zero)」で行われた追悼式典では、バグパイプやドラムが鳴り響いた。

 小雨が降るなかで営まれた式典には、遺族のほか、ジョー・バイデン(Joe Biden)副大統領やマイケル・ブルームバーグ(Michael Bloomberg)市長、警察官、消防隊員、兵士、政府関係者らが参列した。

 乗っ取られた2機の民間航空機が、貿易センタービルの2棟に激突したテロ事件では、2752人が犠牲となった。

 ブルームバーグ市長は、崩れ落ちるビルのなかで救出活動を続け命を落とした市民や343人の消防隊員を、「彼らの慈悲精神や無私の行為は、ニューヨークの歴史に永遠に刻まれる」と悼んだ。

 毎年、テレビ中継される追悼式典では、すべての犠牲者の氏名が読み上げられ、航空機が突っ込みビルが崩壊した時刻に合わせて、黙とうがささげられる。夜間には、2つの高層棟がそびえ立っていた地上から、空に向かって2本の光が照射される。

 一方、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領は国防総省で行われた式典で追悼演説を行い、「幾たびの季節を経ても、あの日の喪失感と悲しみが消え去ることはない。国の防衛において、われわれはけっして動じない。(国際テロ組織)アルカイダ(Al-Qaeda)やその過激派の同盟者らに対して、けっしてためらわない」と述べた。

 これに先立ち、オバマ大統領は11日付のデーリー・ニューズ(New York Daily News)紙の1面に追悼文を寄せた。このなかで、オバマ氏は「われわれは、あの日、航空機が貿易センタービルの中へ消えていった光景、マンハッタンの通りに灰色の煙が降り注ぐ光景、行方が分からない家族の写真を抱く人びとの光景を忘れることはない。あの日に感じた怒りや痛いほどの悲しみも、決して忘れない」と述べた。また、「われわれは、他にも失ったものがある。それは、日々を暮らしていけるという安心感だ」と語っている。(c)AFP


オバマ大統領が寄せた追悼文(英語)