【4月22日 AFP】(一部更新、写真追加)反政府組織の活動が活発化しているインド東部ジャルカンド(Jharkhand)州のラテハル(Latehar)郡で22日、極左武装組織インド共産党毛沢東(Mao Zedong)主義派が列車を襲撃した。乗客300人以上を一時人質にとったが約4時間後に解放した。負傷者はなかった。地元警察が同日、明らかにした。

 警察によれば少なくとも200人の武装勢力が州都ランチー(Ranchi)から約140キロの駅で列車を襲ったという。毛派は22日、この地域でストライキを呼びかけていたが、列車が運行されていたため、ストライキをさせようとして列車を乗っ取ったのだという。

 毛派は企業や店舗の営業や、一般の人の外出を妨げてストライクを行わせるため、企業や店舗の営業を妨げ同様の襲撃を行ったことがある。2006年3月には、約200人の乗客を人質にとったが、危害を加えることなく12時間後に解放した。

 1967年の農民暴動に起源を持つインドの毛派は、少数民族や土地を持たない農民の権利のために戦っていると主張しているが、マンモハン・シン(Manmohan Singh)首相は「インドの安全に対する最大の脅威」と呼んでいる。
 
■総選挙にあわせ襲撃事件相次ぐ

 インドでは現在、総選挙が行われている。投票は4月16日から5月13日まで5回に分けて行われるが、ジャルカンド州でも16日に第1回投票が実施され、23日に第2回投票が予定されていた。

 インド東部では第1回投票の際、極左勢力によって少なくとも16人が殺害された。ラテハル郡では、民兵を乗せて投票所に向かっていたバスが毛派の地雷攻撃を受け、兵士7人、民間人2人が死亡した。

 中部のチャッティスガル(Chhattisgarh)州では選挙職員を乗せたジープを武装勢力が爆破し5人が死亡した。このほか数件の銃撃戦も報告されている。(c)AFP