【12月30日 AFP】(写真追加)イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)への空爆は30日で4日目を迎えた。

 イスラエル側は爆撃中止を呼び掛ける世界各地からの求めを拒絶し、戦闘は数週間続く可能性もあると警告。また、イスラム原理主義勢力ハマス(Hamas)の拠点などに対する爆撃を続け、境界線周辺に戦車を結集させている。

 これまでにイスラエルの空爆によるパレスチナ側の死者は少なくとも363人に達しているが、ハマスの戦闘部隊はイスラエル領内深くにロケット弾を撃ち込むなど反撃を続けている。

 子どもたちがまたも、イスラエルの言う「ハマスとの全面戦争」の犠牲となった。ガザ地区北部のベイト・ハヌン(Beit Hanun)では、ロバの引いていた荷車が砲撃され、11歳の少女と妹の2人が死亡した。

 ガザ市(Gaza City)内では、ハマスの関連施設や訓練キャンプ、ミサイル発射拠点など40か所が集中していた地域に対するイスラエルの徹底的な空爆から一夜明け、がれきの中で物を拾う住民の姿が見られた。

 国連(UN)の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長が「受容しがたい」暴力の停止を繰り返し強く求め、イスラム世界では激しい怒りが爆発し、世界の多くの国でも抗議行動が起こる中、イスラエルは停戦を求める声をすべて払いのけている。

 イスラエルとガザとの境界線周辺にはイスラエル軍の戦車と兵士らが集結している。イスラエル軍は長期戦となれば、歩兵隊の合流準備も完了していると明らかにした。今回の攻撃はガザに対する近年最悪のものの一つになっている。

 イスラエルのエフド・オルメルト(Ehud Olmert)首相は、これまでの爆撃は「安全保障閣議で承認された数段階のうちの最初の段階だ」と語った。一方、Matan Vilnai国防次官は、攻撃は数週間継続される可能性もあると述べた。(c)AFP/Adel Zaanoun