【11月27日 AFP】インドのマンモハン・シン(Manmohan Singh)首相は27日、ムンバイ(Mumbai)で前日発生した武装集団による同時襲撃事件を非難する声明を発表し、事件は国外を拠点とするグループによるものとの見方を示した。

 事件は前日夜、鉄道駅や高級ホテルなどムンバイ市内の数か所が、ほぼ同時期に武装集団に襲撃されたもので、これまでに少なくとも100人が死亡し、300人以上が負傷している。
 
 シン首相は、テレビ演説で、国民に「平静と調和」を呼びかける一方、襲撃は「国外勢力と結びついたグループが念入りな事前計画に基づき組織だって実施したもの」との見方を示し、「有名な場所や建物を襲撃し、外国人らを無差別に殺害し、インド経済の中心地であるムンバイをパニックに陥れることを狙った」と非難した。

 さらに、「襲撃犯らが国外を拠点としていることは明らかだ」と述べ、「こうした武装集団に自国内の領地を提供する『隣国』政府に対し、適切な措置をとらなければ、相応の代償を払うことになる」と警告した。また、「最も強硬な手段を講じて、テロ行為の再発を断固防ぐ」と言明した。

 シン首相は、「隣国」を名指しすることは避けたが、インド政府はこれまでにも、インド国内で暗躍するイスラム系武装グループの活動を支援しているとして、パキスタンをくり返し非難している。(c)AFP