【10月21日 AFP】(一部更新)北大西洋条約機構(NATO)軍最高司令官を務めるジョン・クラドック(John Craddock)米軍大将は20日、加盟各国が当初保証したアフガニスタン派兵数を満たせていないのは「政治的意志の揺らぎ」の表れであり、アフガニスタンでの作戦進行の妨げとなっていると批判した。

 英ロンドン(London)にある王立統合防衛安全保障研究所(Royal United Services InstituteRUSI)の講演での発言で、「アフガニスタンでの使命に対するわれわれの同盟の意志を省みれば、すぐに欠陥の核心が分かる」とも語った。

 NATO加盟国への批判部分では、各国政府が自国軍の活動可能地域を限定するため、「現場で求められる要件に関する合意形成が常にできない。同盟の政治的意志は、わたしの判断で言えば、時に揺らいでいる」と発言した。それにより作戦進行が妨げられ、「21世紀のこの同盟の妥当性を疑問に付している」と苦言した。

 さらにクラドック司令官は、アフガニスタンで反政府活動を続ける旧勢力タリバン(Taliban)との戦いは軍事力だけで勝利できるものではなく、より広範な開発・再建の取り組みが必要だが、それらは現在、軍事行動とは「時間的にも空間的にも連携していない」とも述べた。

 クラドック司令官は、軍事行動によって適切なガバナンスや再建、開発をもたらす、安全で保障された環境を提供できるかもしれないが、一方で「こうした協力が成功するには、国際社会の中でわれわれが真に包括的なアプローチの下に結束しなければならない」と強調した。

 同司令官によると、アフガニスタンのぜい弱な警察機構については改善が取り組まれているが、「適切に機能する司法システムの実現はいまだ見えない」。そうした状況下、多くのアフガニスタン国民はタリバンのほうがより有効な選択肢を提示していると考えていると言う。(c)AFP