【8月5日 AFP】イスラム教徒が多数を占める中国北西部・新疆ウイグル(Xinjiang Uighur)自治区カシュガル(Kashgar)で武装警察の拠点が襲撃された事件について、ウイグル人の人権活動家、ラビア・カーディル(Rebiya Kadeer)氏は4日、亡命生活を送る米ワシントンD.C.(Washington D.C.)で事件を批判する声明を発表した。

 カーディル氏は、「襲撃事件は、ウイグル人と漢民族の間の緊張をさらに高めただけだ。ウイグル人は流血を伴う暴力行為は支持しない」と事件を批判した上で、襲撃事件を口実に一般のウイグル人市民を弾圧しないよう中国当局に訴えた。

 カーディル氏は、「国家安全危害罪」の罪で1999年から6年間、中国で服役した後、2005年3月に釈放され米国に亡命した。

 一方、カーディル氏率いるアメリカウイグル協会(Uyghur American AssociationUAA)は、「中国政府は、これまで十分な裏付けがないままウイグル人によるテロの脅威を強調してきた」と述べ、こうした経緯を考慮した上で、襲撃事件に関する中国側の主張を判断するよう国際社会に呼び掛けた。

 北京五輪を4日後に控えた4日午前にカシュガルで発生した襲撃事件は、国境警備に当たる武装警察部隊の分署にトラックが突っ込み、乗っていた2人が手りゅう弾2発を投げ込んだもので、警察官16人が死亡した。容疑者として、トラックに乗っていた28歳と33歳のウイグル人の男がその場で逮捕された。

 事件をうけ、カシュガル一帯には、厳重な警戒態勢が敷かれている。(c)AFP