【7月8日 AFP】イラクのヌーリ・マリキ(Nuri al-Maliki)首相は7日、米軍が主導する多国籍軍の撤退スケジュールの明示を占領後初めて米政府に求めていることを明かした。

 2009年以降のイラク駐留米軍に関する新協定の交渉条件としてだが、シーア派のマリキ政権発足後、イラク政府が米軍に撤退期限の設定を求めるのは初めて。マリキ首相は「現在もまだ米国側と交渉中だが、いずれにせよ新協定の基盤はイラクの主権の尊重となるだろう」と述べた。

 イラク駐留米軍の撤退時期について、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領はこれまで繰り返し設定を拒否してきた。

 7日のマリキ発言に対し、米国防総省は即座に反応した。ブライアン・ホイットマン(Bryan Whitman)国防総省報道官は、「イラクに恒久的に部隊を駐留させたいという長期的願望は抱いていない」と明言しながらも「撤退スケジュールは理論上のものだ」と述べ、「現在のイラクのように活発に情勢が変化している中では通常、現地の状況を注視していくのが最善だ」とくぎを刺した。(c)AFP/Jay Deshmukh