【5月21日 AFP】レバノンで続いていた、親欧米の与党を支持するイスラム教スンニ(Sunni)派勢力と親シリア・イランのシーア(Shiite)派原理主義組織ヒズボラ(Hezbollah)など野党武装勢力との対立を収束させるためアラブ連盟(Arab League)が仲介してカタール・ドーハ(Doha)で行われていた両派間の協議で21日、対立解消に向けた合意が成立した。野党議員が明らかにした。

 野党議員、Ali Hassan Khalil氏は協議の最終日を前にして、両派間の合意が成立したことを明らかにした上で「大統領選出のための(国会での)投票は22日か23日に行われる」との見解を示した。

 死者を出す武力衝突に発展した政治対立を収束させるため両者間の話し合いが行われていたが、ヒズボラなど野党勢力が和解案を拒否する姿勢を示したため、交渉の行方は予断を許さないとみられていた。

 合意内容の詳細は明らかになっていないが、野党代表団の1人は、来年行われる議会選挙にむけた選挙法をめぐる問題の解決を図る共同委員会の設置について、「合意に向けて最終的な段階にある」と語った。

 与野党は前年11月に任期満了で退任した、親シリア派のエミール・ラフード(Emile Lahoud)前大統領の後継者として、ミシェル・スレイマン(Michel Sleiman)軍司令官を選出することで合意していたが、内閣ポストや選挙法に関して意見が一致していなかった。(c)AFP