【4月21日 AFP】イスラム教スンニ(Sunni)派武装組織「イラク聖戦アルカイダ組織」の指導者、アブアイユーブ・マスリ(Abu Ayyub al-Masri)として知られるアブハムザ・ムハジル(Abu Hamza al-Muhajir)容疑者の音声テープが19日、米民間情報機関SITEインテリジェンス・グループ(SITE Intelligence Group)によって公開され、その中でマスリ容疑者は、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領に「米国人の首を贈呈する」作戦を行うと発表した。

 マスリ容疑者は「イラク・イスラム戦士評議会」に向けた「The Paths to Victory(勝利への道)」と名付けた演説で、「ムジャヒディン(聖戦士)は考え得るいかなる方法によっても『嘘つき』ブッシュ(大統領)に米国人の首を贈呈するだろう」と述べた。

 この作戦は「Attack of Righteousness(正義の攻撃)」と名付けられ、イラク戦争における米国人の死者が4000人に達したことを「記念」して発表された。

 イラク聖戦アルカイダ組織は、指導者をアブオマル・バグダディ(Abu Omar al-Baghdadi)容疑者と常に主張しているが、米軍側はマスリ容疑者が本当の指導者で、バグダディ容疑者はイラクに潜入してきた外国人が率いるテロ組織の中でイラク人の面目を保つために生み出されたネット上の「架空の人物」と見なしている。

 爆弾製造を専門にしているとされるマスリ容疑者はエジプト出身で、2006年6月に米軍の空爆で死亡したヨルダン人指導者のアブムサブ・ザルカウィ(Abu Musab al-Zarqawi)容疑者の後継者となった。(c)AFP