【2月29日 AFP】イラク大統領評議会は29日、故サダム・フセイン(Saddam Hussein)元大統領のいとこで側近だった「ケミカル・アリ(Chemical Ali)」こと、アリ・ハッサン・アルマジド(Ali Hassan al-Majid)元国防相の死刑執行を認めた。イラク政府筋が同日、AFPに明らかにした。執行の時期は未定だという。

 アルマジド元国防相は、1988年のクルド人虐殺事件(アンファル作戦)に関与したとして前年6月に死刑判決が下されており、10月中にも絞首刑が執行される予定だったが、司法手続きなどにより執行が遅れていた。

「ケミカル・アリ」の異名は、アルマジド元国防相がクルド人虐殺に毒ガスの使用を命じたことから付けられたもの。アンファル作戦ではクルド人約18万2000人が殺害された。

 アルマジド元国防相のほか、同事件への関与でSultan Hashim al-Tai元国防相とHussein Rashid al-Tikriti元軍副司令官も死刑判決を受けており、刑の執行待ち状態だ。(c)AFP