【2月22日 AFP】英政府は21日、テロ容疑者を国家間で移送する米国の航空機が、インド洋の英領ディエゴガルシア(Diego Garcia)島で燃料補給を行ったと認めた。米政府が、記録上に誤りがあったと発表したため。

 英国はこれまで一貫して、米中央情報局(CIA)の「特別国家間移送」に関与していないとしてきたが、デービッド・ミリバンド(David Miliband)外相は、米国の「誤記録」が明るみになったことを受け議会で謝罪した。

 ミリバンド外相は、新しい情報によって、テロ容疑者をそれぞれ1人乗せた米機2機が、2002年にディエゴガルシア島の米空軍基地で、燃料補給をしていたことが分かったと説明した。

 外相の謝罪で議員からは、米政府が「テロとの戦い」で最も密接な関係にある英国に虚偽情報を与えたことに、非難の声が上がった。一方、裁判支援団体や人権擁護団体は、本格的な調査を求めた。

 ゴードン・ブラウン(Gordon Brown)首相は、米政府のミスに遺憾の意を表明した。

 米政府はミスを認めた上で、テロとの戦いにおける英国との協力関係には影響がないと強調している。
 
 問題の航空機に乗っていた容疑者の1人は、キューバのグアンタナモ(Guantanamo)米海軍基地内のテロ容疑者収容施設で、依然として拘束されているが、別の1人は釈放されているという。

 第三国か米国が運営する収容施設に容疑者を移送する「特別国家間移送」は、01年9月11日の米同時多発テロ後に始まって以来、論議を呼んでいる。(c)AFP/Phil Hazlewood