【2月9日 AFP】国連(UN)平和維持活動(PKO)局のジャンマリー・ゲーノ(Jean-Marie Guehenno)事務次長は8日、国連(UN)安全保障理事会(Security Council)に対し、スーダン政府とチャド政府が互いに相手国の反政府勢力を通じて代理戦争を行っていると伝えられていることついて、地域のさらなる不安定化と紛争の拡大につながる恐れがあると強い懸念を表明した。

 ゲーノ事務次長は、スーダンの隣国チャドで起きている政府軍と反政府勢力の戦闘が状況を悪化させていると述べた上で、チャドの反政府勢力がスーダン政府の支援を受けている、また、スーダンの反政府勢力がチャド政府の支援の下に活動しているという報道が数多くなされていることにより、この地域がさらに不安定化するのではないかという見方が強まっていると指摘した。

 同事務次長は、スーダンとチャドの政府が非難合戦を続け、両国間の不信や緊張が高まれば、この地域の紛争が国際紛争の様相を呈する可能性があると警告した。

 これに先立ち、スーダンの反政府組織「正義と平等運動(Justice and Equality MovementJEM)」のAbdel Aziz Nur al-Asher司令官は、西ダルフール(West Darfur)州の州都ゲネイナ(Geneina)から55キロ北のAbu Soruj村でスーダン政府軍が3つの集落を攻撃し、住民少なくとも150人が死亡あるいは負傷したと語った。(c)AFP