【8月4日 AFP】イスラム教スンニ派武装グループ「ファタハ・イスラム(Fatah al-Islam)」がレバノン北部のナハル・アルバレド(Nahr al-Bared)パレスチナ難民キャンプに立てこもっている事件で、レバノン軍は3日、同グループと激しい戦闘を行った。

 目撃者の証言によると、現在も同グループが支配している狭い区域から炎が上がっているという。また、キャンプから発射された2発のカチューシャ・ロケット弾のうち、1発が近くのDeir Ammar発電所に着弾したとみられる。
 
 この発電所は同国北部の主要な発電所の1つで、2日にもロケット弾による被害を受けて操業を停止した。また、同キャンプでの武力衝突の影響で石油を運搬する船が同発電所へ近づけないため、数週間にわたり全国各地で深刻な電力供給不足に陥っている。

 キャンプの住民3万1000人の大半は戦闘開始直後に避難したが、兵士128人を含む少なくとも200人がこれまでに死亡した。

 現在キャンプに残っている一般市民は、ファタハ・イスラム戦闘員の親族の女性と子どもだけで60人前後。レバノン軍は、ファタハ・イスラムが女性や子どもを人間の盾として利用していると非難しているが、女性と子どもは自発的にキャンプにとどまっているとの情報もある。(c)AFP