【7月25日 AFP】パキスタン南西部バルチスタン(Baluchistan)州で23日、イスラム原理主義組織タリバン(Taliban)の主導的戦闘員で、2004年に中国人技術者を誘拐した容疑で指名手配されていたAbdullah Mehsud容疑者が、同国治安部隊との戦闘中に自爆死していたことが明らかになった。内務省が24日、AFPに明らかにした。

 これによると、治安部隊が23日遅く、同州にあるMehsud容疑者の潜伏場所を急襲したところ、同容疑者は手榴弾を爆発させて自爆した。

 Mehsud容疑者はキューバのグアンタナモ(Guantanamo)湾米海軍基地収容施設で2年1か月間収容された後、2004年3月に釈放された。その後、行方がわからなくなっていたが、同年10月、パキスタンの部族地域、南ワジリスタン(South Waziristan)でイスラム武装勢力を率い、数百万ドル規模の水力発電事業に携わっていた中国人技術者2人を拉致し、指名手配されていた。この際のパキスタン政府による救出作戦で、中国人技術者1人が死亡している。

  パキスタン西部のアフガニスタン国境付近の部族地域は、事実上、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)やタリバンの聖域と化しており、これを問題視する米国の圧力により、ペルベズ・ムシャラフ(Pervez Musharraf)大統領は過激派掃討活動を強化させている。(c)AFP