【7月14日 AFP】国連(United NationsUN)の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-Moon)事務総長は13日、イスラム原理主義組織ハマス(Hamas)によるパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)制圧により、イスラエルおよびエジプト側から閉鎖された検問所について、同地区の住民に深刻な人道的問題を引き起こすとして、これを解除するよう訴えた。

■検問所の封鎖解除を要請

 潘事務総長は声明の中で、「ガザ地区の情勢と、混乱によってもたらされた経済の悪化に、強い懸念を持つ」と述べ、すみやかに検問所閉鎖を解除し、人道援助物資、労働者および一般の物流が再開されるよう、あらゆる努力が求められると述べた。

 とりわけガザ地区とイスラエル側の境界に設けられたカルニ(Karni)検問所については、物流と労働者の通行のために重要な地点であり、即刻閉鎖を解くよう強く求めた。

 潘事務総長はまた、エジプト側とガザ地区の境界にあるラファ(Rafah)検問所についても、エジプト側で足止めされている4000人以上のパレスチナ人の同地区への越境を認めるように訴えた。現地では劣悪な環境が原因で、足止めされている人々うち、11人がすでに死亡したと報じられている。

 イスラエルを認めないハマス系武装組織がパレスチナ自治政府の治安部隊を襲撃し、前月15日にガザ地区を制圧したことから、イスラエル政府は国境の検問所を閉鎖している。

■ガザ地区の経済活動は事実上、停止状態

 他の検問所を通じて緊急物資の輸送だけは継続されているが、一般物資輸送の遮断は、食料のほとんどをイスラエル経由で得ているガザ地区の住民150万人の生活に大きな影響を与えることが懸念される。

 今週前半、マフムード・アッバス(Mahmud Abbas)パレスチナ自治政府議長も、ガザ地区に「人道援助物資の運搬と民間人の自由な移動を確保するため、国際平和維持部隊を配備することを求める」と発表をした。

 また、潘事務総長は、世界銀行(World Bank)が最近まとめた「6月だけでガザ地区の3190の事業が閉鎖に追い込まれ、6万5000人以上が職を失った」とする報告にふれ、「ガザ地区にわずかに残された経済活動が、崩壊の危機に瀕している。全世帯のおよそ3分の2まで広がったとされる貧困が、今後さらに拡大する恐れがある。同地区の住民は、ほぼ完全に援助が必要な事態になるだろう」と警告を発し、「ガザ地区封鎖の継続は、深刻な人道的影響を生み、現地住民の窮境を深めることになるだけ」と訴えた。(c)AFP