【7月12日 AFP】(写真追加)パキスタン軍の部隊は11日、首都イスラマバード(Islamabad)でイスラム教急進派の神学生らが立てこもっていたモスク(イスラム教礼拝所)を掃討し、最後に残っていた少数の抵抗勢力を殺害、武力制圧した。治安部隊らと武装学生らの2日間にわたった衝突による死者は計60人以上となった。 

 通称「赤いモスク(Red Mosque)」に最後まで立てこもった残留勢力は、10日に射殺されたイスラム教強硬派の指導者アブドル・ラシド・ガジ(Abdul Rashid Ghazi)師の居住区だった棟の地下にあるトンネルや壕に入り込み、戦闘を続けた。

 すべての銃声が止んだところで、軍は反抗勢力が残した偽装爆弾の除去を開始し、モスク内の捜索を始めた。最後まで交戦を続けた武装グループの中には、国際組織アルカイダ(Al-Qaeda)やアフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバン(Taliban)とのつながりを持つ者がいたとみられている。

 パキスタン軍の報道官Waheed Arshad少将は、「武装勢力が占領していた区域の掃討作戦の第1段階は終わった。一帯の不発弾や偽装爆弾を除去するのが第2段階で、すでに進めている。(抵抗勢力の)遺体も集めて外に出さなければならない」と述べた。

 同事件では前日に治安部隊が一斉攻撃を開始する以前までで、すでに24人が死亡していた。「赤いモスク」には女子用の神学校も併設されており、1週間の立てこもり期間中に拘束されていた中には女性や子どももいた。

 ペルペズ・ムシャラフ(Pervez Musharraf)大統領は前日、指導者のガジ師に対し女性と子どもの解放を説得したが決裂し、最終的にモスクへの攻撃を命令した。(c)AFP/Masroor Gilani/Rana Jawad

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