【6月16日 AFP】国連(United NationsUN)、欧州連合(European UnionEU)に米露を加えた「中東和平カルテット(Middle East Quartet)」の代表らは15日、情勢悪化の伝えられるパレスチナ自治区のガザ地区(Gaza Strip)について電話会談を行い、同自治区のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長を全面支援していくことで一致した。ハビエル・ソラナ(Javier Solana)EU外交・安全保障担当上級代表の報道官が伝えた。
 
 同報道官は4者からのメッセージについて、「臨時内閣組閣の極めて難しい時期にアブー・マーゼン(Abu Mazen、アッバス議長の別名)を全面的に支援すること」だとした。

 また4者は、イスラム原理主義組織ハマス(Hamas)が支配を確立したと見られているガザ地区の人道的状況について強い懸念を表明し、早急な援助を呼びかけた。

 同地区ではハマスとパレスチナ解放機構(PLO)主流派のファタハ(Fatah)との間で派閥間抗争が激化。ハマスがガザ地区をほぼ制圧したことで和平への見通しはますます不透明となっている。

 ハマスは14日、アッバス議長が統一政府を解散し、全面的な内紛を回避するために非常事態宣言した数時間後に同地区の制圧に至っている。(c)AFP