【6月2日 AFP】レバノン北部のナハル・アルバレド(Nahr al-Bared)難民キャンプに立てこもるイスラム教スンニ派武装勢力「ファタハ・イスラム(Fatah al-Islam)」とレバノン政府軍の戦闘は1日も続き、レバノン軍兵士3人が死亡した。難民キャンプ内の状況は極度に悪化しているという。

 ナハル・アルバレド難民キャンプ攻撃について政府治安当局は、この場所にあるとされるファタハ・イスラムの重要な拠点を攻撃、破壊したと述べている。

 レバノン軍の戦車と迫撃弾よる攻撃をうけた地点から煙が立ち上る様子が、遠くからも確認された。レバノン軍によればこの作戦で兵士3人が死亡し、5月20日に戦闘が始まってからの13日間の死亡者数は兵士38人を含む83人となった。

 政府軍は、戦闘開始以来、自軍兵士だけでなく、難民キャンプから避難する一般市民にも攻撃を加えるファタハ・イスラムの戦闘員を排除しつつ、武装勢力の多数が立てこもっているとみられる難民キャンプ北西の入口に向かっている。

ある軍関係者よれば、「現在、敵の狙撃手が高い場所から狙撃できなくなるよう、難民キャンプを取り囲む高い場所を制圧している最中だ」と述べた。

 軍部はファタハ・イスラム側に多数の犠牲者が出ていることを明らかにした上で、攻勢を強めるとしている。動員されたレバノン軍兵士は、すでに1000人以上になるという。(c)AFP