【12月18日 AFP】スポーツ仲裁裁判所(Court of Arbitration for Sport以下CAS)は17日、ドーピング(禁止薬物使用)検査で陽性反応が検出された男子テニスのリシャール・ガスケ(Richard Gasquet、フランス)に過失はなく、出場停止処分を棄却したと発表した。

 ガスケが3月に米マイアミ(Miami)のナイトクラブで女性とキスをした際に微量のコカインを摂取したことを認めたCASは、声明で「同選手に過失は一切なく、CASは国際テニス連盟(International Tennis FederationITF)と世界反ドーピング機関(World Anti-Doping AgencyWADA)の提訴を棄却する」と発表している。

 ソニー・エリクソン・オープン2009(Sony Ericsson Open 2009)の検査で3月にコカインの陽性反応が検出されたガスケは、5月に暫定的に出場停止処分を科されており、ITFとWADAは1年から2年の出場停止を求めていた。

 現在世界ランキング52位のガスケは「無実なので本心では今回の結末を予期していた。正義が実行されたんだ。今回の決定にとても満足している。これを4か月待っていた。全米オープン(The US Open Tennis Championships 2009)でもこのこと気がかりだったが、今はすっきりした頭でトレーニングに戻ることができる。2010年に向けてページを開くことができるよ」と語っている。

 1月のブリスベーン国際(Brisbane International 2010)で2010シーズンをスタートするガスケは、豪シドニー(Sydney)で開催されるメディバンク国際(Medibank International 2010)を経て全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2009)に出場する。

 CASは、ガスケの尿サンプルから「極めて微量の」コカインが検出されたのでドーピング違反は正しく報告されたが、キスによる2次摂取を主張する同選手の訴えを認め、ITFとWADAの処分を棄却した。(c)AFP/Peter Capella