【10月23日 AFP】オーストラリア五輪委員会(AOC)のジョン・コーツ(John Coates)委員長は23日、2004年アテネ五輪の前に運動能力向上薬を提供されたと主張する、同大会・女子4x200メートルリレーで銀メダルを獲得し、現在既に引退しているエルカ・グラハム(Elka Graham)に対し、薬物を提供した者の名前を挙げるよう要求した。

 エルカ・グラハムに対し薬物を提供した者の名前を公表しない場合、“選手に対して薬物提供に関わった者の名をオーストラリア五輪委員会に証言させる”ための法律を政府が通さねばならないと語るジョン・コーツ委員長は、「私は、エルカが事の真理を知り、オーストラリア・アンチドーピング機構(Australian Sport Anti-Doping AuthorityASADA)に赴いて打ち明けてくれることを望みます」と語った。

 2004年のアテネ五輪に向けて練習をしている際に薬物を提供されたと、現地21日の新聞コラムで明かしたエルカは、「(薬物の提供に)私はうんざりしました。薬物使用はいけないこと。薬物の提供を受けた後、私は水泳選手への尊敬の念を失いました」と新聞コラムで明かした。

 アテネ五輪に向けて共に練習をしていた無実の選手が傷つけられたにもかかわらず、エルカは選手の名や国籍を明かすことを拒み続けている。(c)AFP