【9月11日 AFP】国際柔道連盟(Internation Judo Federation:IJF)総会がブラジルのリオデジャネイロで開催され、教育・コーチング理事での再選を目指した山下泰裕(Yasuhiro Yamashita)氏がアルジェリアのモハメド・メリジャ(ohamed Meridja)氏との投票の結果61-123で大敗し落選した。これによりIJF執行部に日本人がいなくなるのは、日本がIJFに加盟して以来56年の歴史の中で初めてとなる。

 1984年のロサンゼルス五輪で金メダルを獲得した山下氏は、2003年に信任投票でIJF理事に初当選し、競技者のマナー向上や発展途上国での柔道の普及活動などに取り組んできたが、IJF会長を務めていた朴容晟(Park Yong-Sung)氏の突然の辞任を受け、マリアス・ビゼール(Marius Vizer)IJF新会長に擁立されたメリジャ氏に勝利することは出来なかった。

 総会後に日本のメディアからのインタビューに応じた山下氏は、「(再選を逃したことについて)今回の投票ではビゼール会長に負けたと思います。予想したよりも得票の差は深刻でした。これにより日本が情報を得ることが難しくなるでしょう。私は日本が世界の傾向に追いつく為に努力しなければならないことを恐れています」と語り、日本人理事の不在により、さらなるルール改正が行われることへの懸念を示した。

 また、山下氏の落選を受けて日本の読売新聞(Yomiuri Shimbun)は、「日本の声が国際舞台に届かなくなることは避けられない」と報じるなど、今後日本の発言力の低下を危惧した。今まで柔道のルール改正は、延長戦の導入やカラー柔道着着用などが改正されてきた。特に1995年に改正されたカラー柔道着着用は、テレビで選手を追うのが容易になるとの理由から、欧州の役員たちは一方の選手に青い柔道着を着るべきだと主張。これを受けて日本は従来通り両選手共に白い柔道着を着るべきだと反対したが、結局日本の反対を押し切りルールは改正された。今後、欧州の役員たちがルール改正で議題に挙げるものとしては、「一本」や「技あり」などの呼称の廃止に伴うポイント化がルール改正において優先される可能性がある。

 しかし、日本の朝日新聞(Asahi Shimbun)は、日本人が執行役員に一人もいないとはいえ、国際大会におけるテレビの放映権料や有力なスポンサー企業を抱える日本をIJFが軽視することは出来ないだろうと報じている。(c)AFP/Shigemi Sato