【4月27日 AFP】イングランドプレミアリーグ、第34節の試合でチェルシー(Chelsea)のブラニスラフ・イヴァノヴィッチ(Branislav Ivanovic)の右腕にかみつき、イングランドサッカー協会(Football AssociationFA)から10試合の出場停止処分を言い渡されたリバプール(Liverpool FC)のルイス・スアレス(Luis Suarez)が、この厳罰を受け入れる意向を表明した。

 21日にリバプールの本拠地アンフィールド(Anfield)行われた試合で見せたスアレスの暴力行為はサッカー界に衝撃を与えた。ケビン・フレンド(Kevin Friend)主審は現場を目撃していなかったが、事態を重く見たFAは迅速に対応し、24日には同懲罰委員会が処分を決定した。

 通常、暴力行為に対して科されるのは3試合の出場停止であり、スアレスが受けた処分は重すぎるとしてリバプールのブレンダン・ロジャーズ(Brendan Rodgers) 監督はFAを非難していた。

 しかし、懲罰委員会が公開した処分の決定理由を確認したスアレスは処分を受け入れる意向を示した。

 委員会の報告書にはこう記されている。「まったくもって受け入れがたく、品性にかけた行為であり、被害者の健康を害しかねない」

「より高いレベルでプレーする選手は誰もが模範として見なされている。プロ意識を持って責任ある行動を取り、特に若い選手にとって最高の手本となってサッカー界をより良い方向に導くのが務めである」

 これを受けてスアレスは、過ちから学んで今後の態度を改めると反省の弁を述べ、「10試合の出場停止処分は過去に深刻な負傷者が出たような事例に比べてもかなり厳しい処分ではあるが、自分が取った行動は許しがたい行為であることを自覚しているので処分を受け入れる。(反省していないという)誤解を招きたくないので、処分に対して異議の申し立ては行わない」とコメントした。

 スアレスは27日のニューカッスル(Newcastle United)とのリーグ戦から今季最終節までの4試合、さらに来季の開幕4試合に出場することができない。

 2011年1月にリバプールに加入したスアレスは、以前所属していたオランダ・エールディビジ、アヤックス(Ajax)時代から数々の問題行動を起こしており、相手選手にかみついたのもこれが初めてではない。

 2010年11月には、PSVアイントホーフェン(PSV Eindhoven)のオトマン・バッカル(Otman Bakkal)にかみついて7試合の出場停止処分を受け、「アヤックスの人食い」とのあだ名をつけられた。

 また2011年12月には、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)のパトリス・エヴラ(Patrice Evra)に対する人種差別発言で、8試合の出場停止処分と罰金4万ポンド(約480万円)を科された。

 そのわずか数週間後にはフラム(Fulham)のサポーターに挑発的な行為をとったとして1試合の出場停止処分を受けており、さらに2012年2月にはオールド・トラフォード(Old Trafford、ユナイテッドの本拠地)でユナイテッドのエヴラとの握手を拒否したことでも物議をかもした。(c)AFP