【5月27日 AFP】解任したアブラハム・グラント(Avram Grant)前監督の後任を探しているイングランド・プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)は、インテル(Inter Milan)のロベルト・マンチーニ(Roberto Mancini)監督とロシア代表のフース・ヒディンク(Guus Hiddink)監督がチェルシーで監督をすることへの興味を否定したことで、二重の打撃を受けた。

 イタリアリーグのセリエAでインテルを3連覇に導いたマンチーニ監督はこの数か月間チェルシーとの強い結びつきが見られたが、グラント前監督の解任を受けさらにその憶測が強まった。しかしながら同監督の代理人を務めるGiorgio De Giorgis氏は、「チェルシーからの接触があったという事実は全く無く、インテル以外のチームからも何の接触もありません。それが事実です。噂があるとすればそれは事実無根です。もし、誰かがチェルシーに噂を広めるようであっても、ロベルト・マンチーニが認めたものではありません。インテルとは4年の契約があり、彼はこのままでいることに非常に満足しています。インテルでこれまで3連覇を達成していますが、彼らは4連覇と欧州チャンピオンズリーグ(Champions League)の優勝を狙っています」と英スカイ・スポーツ(Sky Sports)に対して語り、チェルシーからの接触は無く、マンチーニ監督がインテルでの続投を望んでいるためチェルシーとの話を進めるつもりも無いとしている。

 一方、ヒディンク監督もチェルシーの監督の椅子から距離をおきたいと考えているように見える。イングランドを退けロシアを欧州選手権2008(Euro 2008)の本大会に導いたことで自身の株を上げたヒディンク監督は、伝えられるところではチェルシーのオーナーのロマン・アブラモビッチ(Roman Abramovich)氏との親交があり、それも相まって西ロンドン(チェルシーの地元地域)に引っ越すのではないかという主張に拍車がかかっている。それでもヒディンク監督の代理人を務めるCees Van Nieuwenhuizen氏は、「フースがチェルシーに行くということは決してない。選択の対象にも無く、これまでの選択肢になったことも無い。フースはロシア代表の監督であり、2010年サッカーW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)まで留まる」と英新聞のタイムズ(The Times)紙に対して語っている。

 グラント前監督の後任候補にはヒディンク監督とマンチーニ監督のほか、FCバルセロナ(FC Barcelona)のフランク・ライカールト前監督(Frank Rijkaard)やマンチェスター・シティ(Manchester City)のスベン・ゴラン・エリクソン監督(Sven-Goran Eriksson)などの名前が挙がっている。(c)AFP