【6月22日 AFP】サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)アジア最終予選の厳しい戦いを勝ち抜いて本大会出場を決めた日本代表は大きな希望を持って、そしてロンドン五輪金メダルのメキシコは大きな期待を背負って、コンフェデレーションズカップ2013(Confederations Cup 2013)を迎えた。

 しかし両国は、ともに開催国ブラジルとイタリアから勝利を挙げることはできず、大会開幕から1週間と経たないうちに、ベロオリゾンテ(Belo Horizonte)で22日に行われる戦いにただ誇りをかけて臨むことになった。

 日本は19日のイタリア戦に3-4で敗れたものの、大胆かつ流れるようなプレーを随所に見せ、魅力的な試合を展開していた。イタリア戦でのプレーを低調な内容に終わったブラジル戦で見せていれば、日本にも最終戦まで準決勝進出の可能性が残されていたかもしれない。

 同じようにメキシコも、初戦の終盤にマリオ・バロテッリ(Mario Balotelli)に決勝点を許し、イタリアに敗れたことが響いた。

 メキシコは2012年のロンドン五輪決勝で金メダルを獲得するなど、最近はブラジルに対して相性が良く、この初戦の結果次第ではブラジルとの一戦に自信を持って臨むことができたはずだ。

 大会2試合を終えて勝ち点0の両国は、グループ最終節の試合終了の笛と同時に大会から去ることがすでに決まっている。

 しかし、少なくとも1年後には本大会出場のためブラジルに戻ってくることが確定している日本に対し、メキシコは北中米カリブ海最終予選で引き分け続きで波に乗れず、W杯出場へ向けて予断を許さない状況が続く。

 日本代表のアルベルト・ザッケローニ(Alberto Zaccheroni)監督は、逆転を許したものの2点を先行したイタリア戦を前向きにとらえ、「より多くの経験を積む必要はあるが、持っている個性を存分に見せることができたと思う」とコメントした。

「日本サッカーはまだ非常に若いが、ここ何年かで急速な発展を遂げた。チームは今も成長しながら良くなっていて、今後の課題は差を埋めていくことになる。日本と比べ、イタリアとブラジルには100年近い経験の差がある」

 日本は、イタリア戦で大会2枚目のイエローカードを受けた主将の長谷部誠(Makoto Hasebe)が、メキシコ戦は出場停止となる。

 一方、メキシコのホセ・マヌエル・デ・ラ・トーレ(Jose Manuel de la Torre)監督も、大会前まではより大きな成果を期待していたが、イタリアとブラジルの試合では前線が沈黙し、イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)でプレーするハビエル・エルナンデス(Javier Hernandez)も大きな脅威になることができなかった。

 エルナンデスは、「ブラジル戦の僕らは、イタリア戦よりも良い試合をしたと思う。後はもう、良い形で大会を終えるしかない」と語った。

 W杯予選で苦しむメキシコは、7月に3連覇がかかる北中米カリブ海サッカー連盟ゴールドカップ(CONCACAF Gold Cup 2013)を控えているが、デ・ラ・トーレ監督にとっての最優先事項は、予選首位の米国との間にある勝ち点5差、2位コスタリカとの同3差を縮めることになる。

 デ・ラ・トーレ監督は「コンフェデレーションズカップが、W杯予選という大きな仕事に影響するとは思わない。予選では強い気持ちでより良いプレーをしなくてはならない」とコメントしている。(c)AFP/Chris Wright