【11月28日 AFP】サッカー、ウェールズ代表のガリー・スピード(Gary Speed)監督が27日、英チェシャー(Cheshire)州の自宅で死亡しているのが見つかった。42歳だった。

 チェシャー警察(Cheshire Police)は、「本日(27日)午前7時8分、チェシャー州ハンティントン(Huntington)から急死の通報を受けた。警官は、現場で42歳の男性の遺体を確認。家族が男性の身元をガリー・スピードと確認した。死亡に関し不審な点は発見されていない」と声明を発表しており、自殺の可能性が示唆されている。

 死因は明らかになっていないが、英通信社プレス・アソシエーション(Press Association、PA)と英国放送協会(BBC)は当局の関係者の話として、スピード氏が首をつっていたと伝えている。 

 スピード氏は、選手としてウェールズ代表85試合出場を誇り、2010年に同代表監督に就任していた。また、同年には22年間の現役生活を称えられ、エリザベス女王(Queen Elizabeth II)から大英帝国勲章第五位(Member of the Order of the British Empire、MBE)を授与されていた。

 トレイニーとして所属していたリーズ・ユナイテッド(Leeds United)でデビューを飾り、同クラブで1991-92シーズンのイングランド・フットボールリーグ1部(現プレミアリーグ)優勝を果たしたスピード氏は、その後エバートン(Everton)やニューカッスル(Newcastle United)、ボルトン・ワンダラーズ(Bolton Wanderers)、シェフィールド・ユナイテッド(Sheffield United)を渡り歩いた。

 同日行われたプレミアリーグ第13節では、ウェールズのクラブであるスウォンジー・シティ(Swansea City)対アストン・ビラ(Aston Villa)戦が行われたリバティー・スタジアム(Liberty Stadium)や、リバプール(Liverpool FC)対マンチェスター・シティ(Manchester City)戦の行われたアンフィールド(Anfield)で、スピード氏への黙とうが捧げられた。

 ウェールズ代表で13年間スピード氏とプレーしたマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)所属の元同代表、ライアン・ギグス(Ryan Giggs)は、「本当にショックで悲しい。ガリー・スピードはサッカー界で最高な男の一人であり、チームメイトであり友人であることを誇りに思う。この痛ましい知らせを聞いて、どれだけ悲しんでいるかを表現する言葉が出てこない」とコメントしている。

 また、同じく元同代表のロビー・サヴェジ(Robbie Savage)もBBCに対してコメントを残した。

 「信じられない。友人だったのに、逝ってしまった。この数年、ガリーとはかなり親しくしていた。あの男は勇ましかった。彼は美しい奥さんと素晴らしい2人の子供を残していった。全てを手にしてた、全てを手にしていたのに」(c)AFP/Julian Guyer