【8月20日 AFP】2012年に放火で有罪判決を受けた元バイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)のブレーノ(Breno Vinicius Rodrigues Borges)受刑者が、同クラブのユースチームでアシスタントコーチを務めることが決まった。

 23歳のブレーノ受刑者は、2011年にミュンヘン(Munich)市内の自宅の借家に火をつけたとして、2012年7月に3年9月の実刑判決を受けた。

 13か月間服役しているブレーノ受刑者は、19日の午前9時頃にシュターデルハイム(Stadelheim)刑務所を出て、バイエルンのU-23チームのアシスタントコーチを務めた。しかしながら、ブレーノ受刑者は毎日に同刑務所に帰らなければならない。

 ブレーノ受刑者は毎朝午前8時30分に刑務所で迎えられ、バイエルンで4時間練習に参加し、午後1時30分に刑務所へ帰される。

 ブレーノ受刑者は記者会見で「人として、少し変わったと思う。刑務所の中で多くのことを学んだ。妻と子供たちはいつも僕を後押ししてくれた」とコメントした。

「バイエルンには感謝している。僕は元気さ」と語るブレーノ受刑者のドイツ語は、1年前とは見違えるほど上達していた。

「刑務所での時間は厳しいものだった。バイエルンがこのチャンスを与えてくれてうれしい」

 弁護士は、来年1月の仮釈放を望んでおり、その時点でブレーノ受刑者はブラジルに強制退去となる。U-23のチームで練習を行うブレーノ受刑者は、これまで体調の維持に努めているが、EU圏外国籍の選手は同カテゴリーでプレーすることは許されていない。

 バイエルンのウリ・ヘーネス(Uli Hoeness)会長は「バイエルンでこのチャンスをブレーノに与えるため、われわれはあらゆる手を尽くした。懲役を終え国外退去となったら、ブラジルでのプレーを模索することになる」と語っている。

 ブレーノ受刑者は、2008年にカンピオナート・ブラジレイロ(ブラジル全国選手権)1部のサンパウロFC (Sao Paulo FC)からバイエルンに移籍し、28試合に出場した。しかし、2010年3月、ローン移籍中のニュルンベルク(1. FC Nuremberg)で膝を負傷し、その後うつ病に悩まされていた。

 バイエルンは、入国管理事務所や州検察の合意を得て、ブレーノ受刑者を再雇用して社会復帰プログラムを受けさせると表明していた。また、先月にはブラジル代表のルイス・フェリペ・スコラーリ(Luiz Felipe Scolari)監督が、ミュンヘン当局に対し、ブラジルでのキャリア継続のためブレーノ受刑者を釈放するよう求めていた。(c)AFP