【7月31日 AFP】NFL、サンフランシスコ・フォーティナイナーズ(San Francisco 49ers)を3度のスーパーボウル(Super Bow)制覇に導いた立役者のビル・ウォルシュ(Bill Walsh)氏が30日朝、3年間におよぶ白血病との闘病の末75歳で亡くなったとスタンフォード大学(Stanford University)が正式に発表した。ウォルシュ氏は、パスを主導としたウェストコースト・オフェンス(West Coast offense)の考案者であり、アメリカン・フットボールの殿堂入りを果たしている。ウォルシュ氏はウェストサイドにある自宅で家族に看取られたという。

 ウォルシュ氏は、フォーティナイナーズを10シーズン率いて102勝63敗1分の成績を挙げ、1993年に殿堂入りを果たした。

 「彼の殿堂入りを果たしたコーチングの偉業はそれだけで物語っている。しかし、ウォルシュ氏の本質は、たぐいまれなる先生であった。もし彼に黒板とチョークを与えたら、知恵の嵐になるであろう。彼は私達全員にフットボールだけでなく人生について、また個人として成功するためのチームワークの仕方を教えてくれた」とNFLのコミッショナーを務める、ロジャー・グッデル(Roger Goodell)氏は話す。

 ウォルシュ氏はまた、NFLのコーチングの改善を働きかけ、黒人や少数民族へ機会を与えてリーグの国際的発展を後押しした。

 「ウォルシュ氏は私や他の人たちの良き師であった。ウェストコースト・オフェンスで試合に革命を起こし、NFL史上で最も影響力のあった人の1人として記憶されていくだろう」とグッデル氏は続ける。

 ウォルシュ氏はTVコメンテーターとなる前に、ジョー・モンタナ(Joe Montana)氏、ジェリー・ライス(Jerry Rice)氏、ロニー・ロット(Ronnie Lott)氏などの才能ある集団を集め、1988年に3度目のスーパー・ボウルの栄冠を手にした。

 ウォルシュ氏が築いた基礎を元に、ジョージ・シーファート(George Seifert)元監督がフォーティナイナーズを、以降2度スーパーボウル制覇に導いている。

 「ビルの記録はそれだけで物語っている。フォーティナイナーズで指揮を執っていた時はNFL最高のコーチであった。想像力とアイディアを試合の中に持ち込み、スタッフの中の非常に素晴らしいパートを担ってくれていた。彼がいてくれて私たちはとても幸運だった。誰からも賞賛されている試合に足跡を残した人物であり、非常に惜しまれる」とシンシナティ・ベンガルズ(Cincinnati Bengals)のオーナーのマイク・ブラウン(Mike Brown)氏は話す。

 ウォルシュ氏は、1999年にフォーティナイナーズのジェネラル・マネージャーとして3シーズン復帰し、2002年から2004年にかけて同チームのスペシャル・コンサルタントに就任していた。(c)AFP