【6月13日 AFP】11F1第7戦カナダGP(Canadian Grand Prix 2011)は12日、決勝が行われ、7番手からスタートしたマクラーレン・メルセデス(McLaren-Mercedes)のジェンソン・バトン(Jenson Button、英国)が最終ラップの大逆転劇で、4時間04分39秒537で今シーズン初優勝を飾った。

 レースは、豪雨による2時間の赤旗中断と5度のセーフティーカー導入などで4時間を要する波乱の展開。

 バトンは序盤にチームメイトのルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton、英国)と接触したほか、フェラーリ(Ferrari)のフェルナンド・アロンソ(Fernando Alonso、スペイン)とも接触があったが、見事な度胸とスピード、判断力を見せ、最終ラップにレッドブル(Red Bull)のセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel、ドイツ)を抜き去って、予測不可能なレースを劇的な勝利で締めくくった。

 ポールポジションからスタートし最終ラップまでトップを守っていたベッテルは、残り数コーナーというところでバトンのプレッシャーに負け、痛恨のミス。乾いたレコードラインから外れてリアホイールをロックした脇をバトンがすり抜け、通算10勝目をさらうと、ドライバーズ選手権2位に浮上した。

 バトンは「最高のレースだった。もし勝てなかったとしても、楽しめただろう。最高の、もしかしたら自分の中でベストの勝利かもしれない。僕のベストレースであることは間違いない」とレースを振り返った。

 2位のベッテルのタイムは4時間4分42秒246。3位には4時間04分53秒365で同じくレッドブルのマーク・ウェーバー(Mark Webber、オーストラリア)、4位には4時間04分53秒756でメルセデスGP(Mercedes GP)のミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher、ドイツ)、5位には4時間04分59秒932でロータス・ルノーGP(Lotus Renault GP)のビタリー・ペトロフ(Vitaly Petrov、ロシア)が続いた。

 13番手からスタートしたザウバー(Sauber)の小林可夢偉(Kamui Kobayashi)は、4時間05分12秒807で7位に入った。
 
 なお、バトンと接触したアロンソは、ピットストップ6回、ドライブスルーペナルティーを2度科されている。(c)AFP/Gordon Howard