【2月20日 AFP】不倫スキャンダルの渦中にいる人気プロゴルファー、タイガー・ウッズ(Tiger Woods)の19日の会見は、1998年に米ホワイトハウス(White House)の研修生モニカ・ルインスキー(Monica Lewinsky)さんとの「不適切な」関係を告白したビル・クリントン(Bill Clinton)元米大統領の会見以来、最大の注目を集めた「謝罪会見」となった。

 会見は米主要テレビネットワークで生中継され、その声明は全米の放送局や新聞社が大々的に取り上げた。

 ウォール街でも、トレーダーたちが一斉にウッズ会見を生中継するテレビ画面を見上げ、取引が実質的に停止する瞬間もあったというほど。全世界の視聴者は数千万人規模と推計されている。

 ウッズの会見を受けて世界中の放送局ではコメンテーターたちが急ごしらえの分析を加えてみせたが、その論調は真っ二つに割れた。ウッズの誠実さを称える声があがる一方、メディアでのイメージ操作に過ぎないと否定的な意見も多かった。

 米ABCテレビの政治トークショー・ホスト、ジョージ・ステファノポロス(George Stephanopoulos)氏はウッズの発言を「有名人による公式な謝罪の中で、最も素晴らしいものの1つだ」と称賛。「ウッズは何一つとして棚上げにしなかった。自分のやったことを十分に考えた」と評価した。

 米CBSテレビのアナリストで元プロゴルファーのデビッド・フェハティ(David Feherty)氏も、ウッズの謝罪が誠実だったと評価。「あれほど弱々しいウッズを見たのは初めてだ。彼の発言に非常に感銘を受けた」と語った。

 一方、米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)の論説委員、エバ・ロドリゲス(Eva Rodriguez)はウッズの会見を「気持ち悪い」と一蹴(いっしゅう)。「人間、夫、父としてより良くなるために、国際放送のテレビ中継で謝罪をする必要はない。マーケティングで数十億ドル規模の仕事を続けるために必要な見世物」と辛口に論評した。

 極めつけは風刺サイトの「オニオン(The Onion)」。ウッズの会見をちゃかして、こんな見出しを記事につけた――「タイガー・ウッズ、セックス再開を発表(Tiger Woods Announces Return to Sex)」。(c)AFP