【9月25日 AFP】伝説の自転車ロードレーサーのランス・アームストロング(Lance Armstrong)氏が24日、カザフスタンのアスタナ(Astana)で現役復帰を果たすことを明らかにした。しかし、ツール・ド・フランス(Tour de France)で8勝目を挙げることについては断言しなかった。

 「2009年はアスタナからレースに参加する」と報道陣の前で語った37歳のアームストロング氏は、2009年1月にオーストラリアで開催される第11回ツアー・ダウンアンダー(11th Tour Down Under)で競技に復帰し、引退した2005年までに7勝を挙げたツール・ド・フランスでシーズンを締めくくるとしている。

 1996年に精巣がんを克服したアームストロング氏は、今回の現役復帰を自身の立ち上げたがん予防キャンペーンのリブストロング(LIVESTRONG)の一環としており、アームストロング氏は「ツール8度目の優勝は保証できない。しかし、リブストロングのメッセージががんに対する様々な状況に影響を与えるだろうということは保証する」と語っている。

 カザフスタン自転車連盟(Kazakhstan Cycling Federation)のニコライ・プロスクリン(Nikolai Proskurin)副会長は、アームストロング氏が、現在アスタナのリーダーであるアルベルト・コンタドール(Alberto Contador)とリーダーシップを共有するとしている。しかし、プロスクリン副会長は「現在のチーム内には張り詰めたものがあるが、我々がこの状況をしっかりと管理できると私は期待している。アームストロングは唯一のスターになるのではなく、チームのリーダーの一人となる」と話し、アームストロング氏の復帰が2007ツール・ド・フランス(2007 Tour de France)を制したコンタドールとの間に緊張関係をもたらすことを認めている。

 事態を落ち着かせようとしたアームストロング氏は、コンタドールを称賛して「彼とレースに参加することを楽しみにしている。アルベルトは現在地球上で最高のライダーだ。我々はそれを認識し、尊重しなければならない。今、私があれほど速く走れるか分からない。ことがうまく運ぶことを願っているよ」と語っている。(c)AFP/Sebastian Smith