【7月26日 AFP】2007ツール・ド・フランス(2007 Tour de France)に参戦しているラボバンク(Rabobank)は25日、第16ステージを終えて総合首位に立つミカエル・ラスムッセン(Michael Rasmussen、デンマーク)を大会から追放することを発表した。

 25日の第16ステージ(オルテーズからグレットオービスク峠、218.5キロメートル)を制して総合優勝に大きく近づいていたラスムッセンは、大会内で行われる検査以外のドーピング検査を過去18か月間で4度受けなかったとして批判を受けていた。

 これに対しラボバンクは、ラスムッセンから6月末までメキシコに滞在すると報告を受けていたにも関わらず実際はイタリアにいたことが虚偽の報告にあたり「チームの規律を破った」として、ラスムッセンを大会から追放することに決定したと発表し、「チームとして大会に参加し続けるかはまだ分からない」と今後の動向に含みを見せた。

 これを受けて国際自転車競技連合(International Cycling UnionUCI)のパット・マッケイド(Pat McQuaid)会長にラスムッセンが過去にドーピング検査を受けなかったことを大会主催者側に報告しなかったとして電話で抗議したツール・ド・フランスの大会総合ディレクターを務めるクリスティアン・プリュドム(Christian Prudhomme)氏は、AFPに対し「我々は彼を追放するためにあらゆる手立てを尽くした」と語り、さらに「侮辱されたとは全く感じていない。大会を追放された選手のよう何人たりともツール・ド・フランスを欺くことはできない」と語り、ラスムッセンをはじめドーピング検査で陽性反応が検出され大会を追放されたコフィディス・ル・クレディ・パール・テレフォン(Cofidis - Le Credit Par Telephone)のクリスティアン・モレーニ(Cristian Moreni、イタリア)やアスタナ(Astana)のアレクサンドル・ヴィノクロフ(Alexandre Vinokourov、カザフスタン)について言及した。

 ラスムッセンは第8ステージと第16ステージで2度ステージ優勝を飾っていたが、複数の関係者や大会主催者からは大会への参加自体が疑問視されていた。

 なお、ラスムッセンが追放されたことにより、総合首位にはディスカバリーチャンネル・プロサイクリングチーム(Discovery Channel Pro Cycling Team)のアルベルト・コンタドール(Alberto Contador、スペイン)が、総合2位にはプレディクトール・ロット(Predictor-Lotto)のカデル・エヴァンス(Cadel Evans、オーストラリア)がそれぞれ繰り上がっている。

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