【10月31日 AFP】30日に行われたフィラデルフィア・フィリーズ(Philadelphia Phillies)との09MLBワールドシリーズ第2戦で本塁打を放ち、チームを勝利に導いたニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)の松井秀喜(Hideki Matsui)だが、敵地フィラデルフィアに舞台を移す第3戦ではベンチスタートを余儀なくされるかもしれない。

 松井は3-1で勝利した第2戦に指名打者で出場して決勝弾を放ち、ヤンキースは対戦成績を1勝1敗としているが、31日から始まるフィラデルフィアでの3連戦では、投手が打席に立つ指名打者制のないナ・リーグの規定が採用される。

 これにより松井は、シーズン最多得点と最多本塁打を記録したヤンキースの打線から外れる可能性がある。

 30日にヤンキースのジョー・ジラルディ(Joe Girardi)監督は「必ずしもこの球場(ナ・リーグ規定)を想定してチームを作っていないが、われわれは対応できる。その準備はできている」と語った。

 2009シーズンは外野手としての出場がない松井は、ジラルディ監督から先発か、もしくは試合終盤の大事な場面で代打から守備につくよう言い渡される可能性がある。

 松井の外野起用についてジラルディ監督は「いくつか見てみたいことがある。もう少し見守りたい。彼の動きと、守備が身体的に可能かを見極めたい。もし守れないのであれば、もっとも効果的な場面で代打で起用するつもりだ。ダブルスイッチ(投手の代打から守備につく)かもしれない。いずれにせよ、彼の打撃を失いたくない」と語っている。 

 地区シリーズ、リーグ優勝決定シリーズで30打数7安打を記録し、ワールドシリーズではここまで6打数3安打の松井は、2009シーズンは打率.274、28本塁打の成績を収めており、第3戦でフィリーズの先発を務めるコール・ハメルズ(Cole Hamels)のような左腕投手を得意としている。

 松井は「監督が外野手での起用を決断するのであれば、その準備はできていると言うが、自分が決めることではない」と語っている。

 シーズン終了後にフリーエージェント(FA)になる松井は、7年を過ごしたヤンキースを退団する可能性もあるが、「契約のことは考えたくない」と語り、自身初のワールドシリーズ制覇へ向けて集中している。

 また、松井のプロ意識と献身的な姿勢は、デレク・ジーター(Derek Jeter)をはじめとするチームメイトから尊敬を集めている。

 ジーターは「彼はプロフェッショナルだ。いつもプレーする準備を整えている。最高のチームメイトの1人。重要な局面で頼りになる男だ」と語り、松井を賞賛している。(c)AFP/Jim Slater

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