【9月19日 AFP】ムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)前大統領が7月に解任されて以降、武装勢力の取り締まりやイスラム主義者への弾圧を強化しているエジプト軍と警察は19日、首都カイロ郊外のギザ(Giza)のピラミッド近くにあるケルダサ(Kerdassa)村を強襲した。

 内務省幹部の会議が午前3時に終わった後に作戦は開始された。AFPの取材に応じた治安関係者によると、作戦の目的は「同村のテロリスト分子の一掃」で、夜明け直後に軍の車両がなだれ込むようにして同村に到着した。「治安部隊とテロリストの間で激しい銃撃戦が交わされた」とし、治安部隊幹部1人が死亡したという。

 当局はケルダサ村に日中の外出禁止令を出し、指名手配している140人の容疑者を追って、村内の家を1軒ずつ捜索した。作戦実行の様子はテレビで放映され、濃く立ち込める催涙ガスや村内を動き回る軍と警察の車両が映し出された。

 エジプト中部の都市デルガ(Delga)でも16日に同様の作戦が実行されていた。

 ケルダサ村では8月14日、当局がカイロでのモルシ支持派の座り込みデモ2か所を強制排除した数時間後、警官11人が警察署で遺体となって発見されていた。また同日、同村周辺の警察署数か所が放火された。  約30年続いたホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)元大統領による独裁体制が2011年に倒れて以降、エジプトでは治安問題が拡大しており、さらにモルシ大統領失脚後は、政情不安がいっそう高まっている。(c)AFP