【9月11日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は10日夜、ロシアが提案したシリアの化学兵器を国際管理するための計画について、米国によるシリアへの軍事介入が避けられたと判断するのは時期尚早との見解を示した一方、当面は外交努力を優先するとの考えを明らかにした。

 米首都ワシントン(Washington D.C.)にあるホワイトハウス(White House)のイーストルーム(East Room)から国民に向けテレビ演説を行ったオバマ大統領は、米政府は現在、ロシアが提示した計画を具体化するための作業を進めていると説明。「この計画が成功するのかはまだ判断できない。(シリアとの)合意がいかなる内容になろうとも、アサド政権がその合意を順守していることを検証しなくてはならない」と述べた。

 大統領はまた、「これまでアフガニスタンとイランでといった高い代償を伴う国外での紛争への関与で、米国が疲弊していることは分かっている」としながら、新たな戦いを始めることよりも終わらせることに強い関心を持っていると述べた。しかしその一方で、米国が行動しなければ、国際法に反する化学兵器の使用が再発することになるだろうとの見解も示した。

 オバマ大統領はさらに、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領や英仏などの同盟国と協力して外交による解決を目指すと述べ、軍事行動を承認する決議案の採決を延期するよう米議会に要請したことも明らかにした。

 他方、化学兵器が使用された8月21日の攻撃についての国連調査団の報告書が発表されるまでは軍事行動は行わないと確約した。(c)AFP/Stephen COLLINSON