【9月7日 AFP】主要20か国・地域(G20)首脳会議が開かれたロシアのサンクトペテルブルク(Saint Petersburg)で6日、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領がブラジルのジルマ・ルセフ(Dilma Rousseff)、メキシコのエンリケ・ぺニャニエト(Enrique Pena Nieto)両大統領と個別に会談し、米国家安全保障局(National Security AgencyNSA)が中南米で通信傍受を行っていたとの疑惑について協力して緊張緩和に努めることを約束した。

 オバマ大統領はそれぞれの大統領にNSAの通信傍受についての報道に対する両者の反応を理解すると述べた。

 ルセフ・ブラジル大統領は報道陣に対し、オバマ大統領に「個人的な憤り」を表明し、米国側は11日までに回答をするとの約束したことを明らかにするとともに、「条件が整わなければ」10月23日に予定されているワシントンD.C.(Washington D.C.)訪問を取りやめると警告した。

 またメキシコのペニャニエト大統領によると、オバマ氏はペニャニエト氏に対する情報収集作戦を命じたことは決してないと述べた上でこの件について調査を行う意向を示し、情報収集活動が違法に行われていたことが明らかになれば責任者を探し出して相応の制裁を加えると約束したという。

 ブラジルのリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)在住のジャーナリスト、グレン・グリーンウォルド(Glenn Greenwald)氏は、NSAが、ルセフ大統領が閲覧したインターネット上のコンテンツにアクセスするプログラムを使っていたほか、ぺニャニエト大統領の電子メール、電話の通話、テキストメッセージを傍受していたことを明らかにしていた。傍受されたぺニャニエト氏の通信には、2012年7月に大統領に選出される前に閣僚候補者との間で交わしたものも含まれていたという。c)AFP/Tangi QUEMENER